コンシューマー(to C)ビジネスって何だろう⑥ ~コンシューマとお金~
次に「コンシューマとお金」について考えてみる。
第1回目でも述べたが、自分が考える「コンシューマとお金」については簡単には以下のような感じであるである。
・どんなに安い(5円とか10円とか)ものであろうが、コンシューマはそこに価値を見出せなければ頑なにお金を支払わない。
・どんなに高い(5千円とか1万円とか、更には10万円とか)ものであろうが、コンシューマはそこに価値を見出せば簡単にお金を支払う。
※但し、ここで指す「お金」とは『必要経費』を除く、プラスアルファとして『娯楽経費』のことである。
だったら、価値のあるものってなんなんだろう。
おそらくそれはシンプルに言えば、
『自分では手に入れることができないモノ』
ではないだろうか。
そして、「手に入れられないモノ」についても色々な種類がある気がする。
『技術』に対する価値 例)パソコンなど
例えば、パソコンが欲しいが、パソコンのことを良く分かっていない一般人に普通のスペックのパソコンを「10万円で買いませんか」と言ったとき普通に買うだろう。
逆に、ある程度パソコンの有識者で技術を持っている人であれば、「そのくらいのスペックであれば5万円で自分で組んだほうがもっといいものできるわ」と思うだろう。
⇒パソコンの原価自体は5万円程度であっても、それを手に入れるための術を持っていない人の場合、その『技術』に対しては価値を感じるものである。
『時間』に対する価値 例)飛行機など
例えば、どうしても3時間後に東京から大阪に行かなければならないといった人がいれば、「その区間のチケットは3万円です?」と言っても普通に買うだろう。
(もし、その行かなければならない理由によっては(かつ、満席だったとした場合、)10万円でも買うだろうね。)
逆に、時間にゆとりのある人であれば、「3万円もするなら、新幹線(もしくは車)で移動するからイイヤ」ってなるだろう。
⇒普通であれば、時間というお金がかからないものであっても、その時間を操作する必要がある(迫られた)場合、その『時間』を操作する術に対しては価値を感じるものである。
※ここでは時間の短縮というところに焦点をあてたが、逆に、待ち合わせなどで時間が空いた際に、漫画喫茶などで時間を浪費するというケースの価値もある。
『モノ(希少性)』に対する価値 例)ダイヤモンドなど
「~カラットのダイヤを50万円で買いませんか」と言ったとき、そのカラット数のダイヤをプレゼントやアクセサリー用で探している人であれば普通に買うだろう。
⇒それがただの石ころであったとしても、人気がありそれが普通では手にいれることができない『モノ(希少性)』に対しては価値を感じるものである。
『想い出(記念)』に対する価値 例)写真など
例えば、「子供が生まれた瞬間の写真を買いませんか?」と言ったとき、1万円を出してでも買う人は多いのではないだろうか。(※前提として個人の撮影を禁止しているとする。)
逆に、路上で歩いている子供の写真を勝手に撮影されて、両親に対して「この道を歩いている写真を10円で買いませんか?」と言ったとき、誰も買わないだろう。
「そんなの自分で撮影するわ、ボケ」と思う人がほとんどだろう。
(むしろ勝手に撮影するなってキレられるのがオチ。)
⇒もう現在の世の中で写真自体は10円くらいで印刷できるにも関わらず、もう二度と手に入れることができない瞬間の『想い出(記念)』に対しては価値を感じるものである。
「価値」に関して考えれてみれば、その他にも『娯楽(エンターテイメント)』、『歌(ファン)』、etcがある。