ピア・メディエーションとは ~いじめの対策(予防)・解決への糸口となるか~
ピア・メディエーション ~いじめの芽を摘む仲裁員~
ピア(peer)は、仲間、クラスメイトを、メディエーション(mediation)は仲裁、調停、仲介を意味しています。
今、教育現場ではいじめの芽を摘む手法としてピア・メディエーション、つまり”子どもたち自身”仲裁員となり、”自分たちで話し合って”いじめを解決する手法に対し、興味、関心が高まっています。
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教育現場(授業)で導入されているピア・メディエーション
かつて中退率が50%を超えるような学校がピア・メディエーションを授業に導入し、学び始めるなどの取り組みを行ったところ、約6年で中退率が10%まで下がったといいます。
普段の生活の中でも何気なく行うことがあるもめごとの仲裁ですが、改めて授業で扱うことで生徒にどのような変化があったのでしょうか。
「今まで話せなかった人と話せるようになった」
「相手の話に耳を傾けるようになった」
授業ではロールプレイを行います。
生徒たちはもめごとの仲裁をする上で、対立する両者の意見に耳を傾け、折り合いの付く着地点を探っていきます。
一方の生徒の肩をもてば、もう一方の生徒の不満は募り、うまく折り合いをつけることはできません。
また一歩間違えば片方に加担する構図となり、いじめを助長することにもつながります。
ロールプレイでは、何度も意識してヒアリングを繰り返すことで相手の立場や気持ちを聞き出し”理解しよう”とする習慣を身につけていました。
仲介員という意識を持つことで、双方の意見をしっかりと聞くこという姿勢を身につけます。
双方の意見を公平に聞くことでお互いの存在を認め合う関係になり、周囲とのもめごとやいじめも減って中退率の低下にもつながったのです。
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IT社会に求められるピア・メディエーション
携帯電話やインターネットが普及し、LINEやSMSでのつながりはあっても他人と直に接する機会が少なくなっている今日。
相手の気持ちを知り、理解しようとする習慣を身に着けるためには積極的に意識しなければいけないのかもしれません。