中古マンションの検索性向上 【ホームズプライスマップ(HOME’Sプライスマップ)】 ~不動産市場の可視化・透明化になるか~
日本の中古住宅の流通シェアは13.5%
日本では近年、空き家問題が大きくニュースで取り上げられています。
現在、日本で流通する住宅の内、中古住宅の流通シェアは13.5% (08年)です。
世界規模で中古住宅の流通シェアをみた場合、日本は非常に低い数値になっています。
- アメリカ:90.3%
- イギリズ:85.8%
※2009年
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地域ごとの中古マンション(物件)の相場が一目で分かるホームズプライスマップ
そういった中で、中古住宅の販売促進・活性化に向けて、不動産・陳卓・住宅情報サイトHOME’Sを展開する株式会社Nextが、本日から中古マンションの価格や相場を簡単に検索・閲覧できる「ホームズプライスマップ」という新しいサービスをリリースしました。
以下使い方を調べてみました。
ホームズプライスマップ(HOME’Sプライスマップ)の使い方
WEBサイト(URL)
利用料
無料(会員登録も不要)
画面
1)調べたい住所、駅名、マンション名で検索する。
2)上記1)で調べたエリア周辺の中古マンション情報が表示される。
※地図上の赤丸が該当エリアに存在する各中古マンション
※画面左上(黒い表示領域)は該当エリアに表示されている(見えている範囲の)中古マンションの相場情報
3)地図上で気になった中古マンション(赤丸)にマウスを合わせると該当マンションの概要情報が表示される。
4)また、地図上で気になった中古マンション(赤丸)をクリックすると、該当マンションの詳細情報が表示される。
5)地図を拡大すると実写真上で表示される。(GoogleMapの機能)
ホームズプライスマップ(HOME’Sプライスマップ)の仕組み
ホームズプライスマップに表示される中古マンションのデータは、今までホームズが蓄積してきた価格データを基に参考価格を算出されるとのことです。
(過去の売買実績から、現在、売買するとこのくらいの費用感になる、といった感じです。)
そのため、まだ誤差はあるとのことですが、今後、売出し価格との誤差は10%以内を目指しているとのことです。
なお、現在のデータ数は首都圏の中古マンション16万棟約150万戸分とのことで、売りに出ていない物件価格も網羅していくようです。
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不動産市場(中古住宅・マンション)へのITサービスの活用
空き家の実態
総務省が実施した「住宅・土地統計調査」(2008年)によれば、総住宅数の13.1%にあたる約757万戸が空き家となっています。
7件に1件が空き家と考えると、その数は多く、社会問題として取り上げられるのも頷けます。
ちなみに、都道府県別に空き家数が多い順で見ると、東京を中心に首都圏が上位を占めています。
引用:都道府県格付研究所
ただし、空き家率順で見ると以下の状況らしいです。
引用:都道府県格付研究所
不動産市場(中古住宅・マンション)へのITサービスの活用
空き家(問題)も含めて、近年は中古物件(住宅・マンション)へのITを活用したサービスが目立ちますね。
- Airbnb
-
自宅の空きスペースを貸したい所有者と旅行客をつなぐサービスです。
なお、2015/10/28時点では、日本では許可を得ていないものが有料で賃借を行った場合は旅館業法に違反してしまう(可能性が高い)ようでニュースでもairbnbの問題点について取り上げられています。(その他、旅行客の宿泊マナーの悪さによる近隣トラブルなども)。ただし、2020年の東京オリンピック含めて外国人旅行客の増加対策に向けて政府側も法律面・環境面ともに協議・対策の動きがあるようですね。 - マイルーム
-
古民家のリノベーションを対象といて、裏通りに眠っている空き家を発見するのが「マイルーム」という不動産会社です。
ピザ屋やケーキ屋、パン屋兼カフェなどの飲食店や雑貨屋などの事業者さんは”お客さんのたくさん来る地域や街で”かつ”安い賃料の物件”に出店したいと思うはずですよね。
裏通り空き家の賃料は利便性があるにもかかわらず、表通りの3分の1〜半分のケースが多く、賃料の安い裏通りにある空き家を改修して営業しているお店が最近増えてきているようです。
安い賃料で改装自由の物件が人気。契約件数は善光寺の周辺地域だけで2010年〜2013年で46件。年々増えているそうです。
さいごに
今回の「ホームズプライスマップ」含めてITの一番の強みである、時間・距離の制約を受けないこと、不特定多数間でのマッチング、大量のデータからの検索性(※)などがうまく活用されているなと思います。
※大量データからの検索性という部分ではある種の「ビッグデータの活用」と同じですね。
※ちなみに、類似サービスとして、マンショインリサーチ運営の「全国マンション価格まるわかりマップβ版」というものあるようです。
不動産は水ものだと言われ続けてきましたが、こういった透明化・可視化の動きを経て適正価格が公開され、中古マンション市場における中古販売の促進に一躍を買うのでしょうか!?
そして、それが結果として空き家問題への解決のキーの1つ(ファクター)になるのか要注目です。
(もちろん、日本での中古住宅の流通シェアが極端に低いのは、単純な上記のような問題(不透明性)だけなく、日本人の文化性など、いくつかの要因が絡んでいるとは思いますが。)