食品廃棄を減らす ~KURADASHI.jpにて規格外商品を販売、もったいない精神で食品廃棄を改善~
食品廃棄問題と日本の現状
産業廃棄物処理業者の代行業者が廃棄予定の食品を横流しをしていた事件はまだ記憶に新しいのではないでしょうか。
先日この代行業者に対して処理能力を超える廃棄食品を保管していたとして廃棄物処理法に基づく撤去命令が出ました。
この事件の背景の一つにあるのは食品の廃棄問題です。
賞味期限が迫っている等が理由でまだ本来は食べられるはずの食品が、食べられずに廃棄されている食品の問題です。
国内で年間600万トンを超える食品廃棄ロスを減らす動きが増え始めています。
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食品廃棄ともったいナイ魚 〜食品廃棄になっていた全国各地の産地食品を有効活用〜
国内では大量に魚が廃棄されていますが、廃棄される魚の中にはまだ食べられるものが多くあります。
例えばウナギ。販売する際に四角い切り身でないと消費者に敬遠されがちなため、業者は四角い切り身を仕入れようとします。
この時捨てられていたのがしっぽ部分です。また、加工する際に傷がついたものも同様に捨てられたり家畜の飼料になったりするのです。
他、金目鯛の頭なども、現地では消費されているが痛みやすいため、余りは廃棄されている現状があります。
水産加工業者リバーグリーンではこうしたまだ食べられるけれど捨てられる運命にあった魚にもったいナイ魚と名付け、ランチやディナーで提供を始めました。
もったいナイ魚と名付けられたのはウナギだけではなく、現在既に110種類ほどに上ります。
ブリカマもその一つで、生産地の高知県では食べられるものなのに、その地域の慣習で食べられずに廃棄されていました。
全国各地の産地をめぐり商品開発を続けた結果、もったいナイ魚は2010年度にくらべ約3倍の売り上げになりました。
また、2014年からもったいないシリーズとして野菜や果物の販売も始めました。
形が悪かったり傷がついているものを通常の3割~5割引きで販売しています。
普通の企画で無いがために食べられずに廃棄されていたものを再生することで、食品廃棄軽減に貢献しているのです。
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食品廃棄とKURADASHI.jp 〜規格外商品を最大9割引き、格安で販売〜
ヤフーのオークションサイトに破格の値段で販売をするサイトKURADASHI.jpが登場しました。
季節外れの鍋の出汁や、賞味期限が近い商品を4割~9割引きで販売しています。
日本には、メーカーが製造してから賞味期限の間の内1/3を過ぎると出荷できない1/3ルールという暗黙のルールが存在すると言います。
例えば、6か月の賞味期限の場合、2か月過ぎた時点で出荷することが難しくなるのです。
そうした食費をメーカーからまとめて引き受けて販売するのが、このKURADASHI.jpです。
一般流通に乗りにくくなった食品をメーカーからまとめて引き受けて値引き販売をしています。
売り上げの一部は環境保護団体に寄付しているそうです。
例えば、過剰生産してしまった食品は廃棄するよりもKURADASHI.jpで少しでも売る方がキャッシュの回収ができます。
KURADASHI.jpは200社のほどが登録されており、利用する会員は20,000人を超え、多くの人が利用しています。
節約家の主婦(夫)にも、メーカー品が安い価格で買うことができる嬉しい取組みです。
国内で年間600万トンを超える食品廃棄、これは日本人一人ひとりがおよそ茶碗1杯のご飯を毎日捨てているのと同じ量になります。
こうした取り組みは食品廃棄を改善することにつながって行くと考えられます。