<熊本地震>民間企業の被災地支援内容(取り組み事例)
熊本地震、現地ですぐに利用・活用できる被災地支援の紹介
平成28年熊本地震は最初に起こった前震から5日以上たった今でも強い余震が続いています。
4月14日に最大深度7(気象庁マグニチュード6.5)の揺れを観測、その後の4月16日に起こった最大深度6強(気象庁マグニチュード7.3)が本震とされ、4月19日現在でかつてないほどの数の揺れを観測しています。
そういった中、多くの民間企業が東日本大震災での経験を経て、様々な被災地支援を迅速に行っています。
ただ、ニュースを見ると民間企業の被災地支援の数は増えて来ているもの、まだ現場では完全な情報統制が取れておらず、人による情報格差もあるため「どこで何が受けれるか」分からない状態と聞きます。
そこで、現地で利用・活用できる民間企業が提供している各種支援内容(取り組み事例)を記載しますのでご参考下さい。
※以下、2016/4/20 時点の情報
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トヨタ自動車の被災地支援:通行可能な道路交通情報の配信「通れた道マップ」
トヨタ自動車の被災地支援の一つに「通れた道マップ」があります。
「通れたマップ」というのは、地図更新サービスG-BOOKを搭載したトヨタ車両が実際に走行した道路の情報を収集・分析して、1時間毎に「この道路は通れた」「この道は通れなかった」といった交通情報(通行実績)を配信しているものです。
元々はカーナビと連動して、今どこで渋滞が起きているのかをリアルタイムに分析して、利用者に回避ルートを提供するといった仕組み(技術)で使われていたものですが、「通れた道マップ」はこの仕組み(技術)を利用して、被災地での車の移動を支援するための参考情報として提供しています。
なお、実際に被災地およびその周辺を走行する際は、救助活動や支援活動を妨げないように配慮し、通れた実績があっても崩れやすくなっている地盤がある可能性もあるため注意して走行して頂くよう呼びかけがされています。
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Googleの被災地支援:地図(GoogleMap)上に各種被災地支援情報を配信「Google クライシスレスポンス」
Googleは「Google クライシスレスポンス」にて「災害情報マップ」「熊本地震関連情報」「地震関連ニュース」をまとめた被災地支援情報を配信しています。
中でも「災害情報マップ」では、GoogleMapの地図上で熊本県内の「スーパー営業情報」「炊き出し&支援物資集積地点」「給水所」の情報がまとめて表示されており、一目でどこで何が行われているのか分かるようになっています。
また、上記で述べた「自動車通行実績マップ」も併せて表示されています。
それぞれチェックを入れることでマップ上の該当する場所にピンが表示されます。
「スーパー営業情報」であれば、「営業している」「営業していない」「変速営業」の3種類に色分けして表示してあります。
airbnbの被災地支援:無料で泊まれる緊急宿泊場所の提供
民泊サービスAirbnb(エアビーアンドビー)が無料で泊まれる緊急宿泊場所の提供を被災地支援として開始しました。
元々は空き部屋を活用したホスティングサービスのサイトですが、熊本地震をうけ被災者の方には全サービス料を免除し無料で宿泊場所を提供してくれる人とのマッチングを行っています。
宿泊場所は福岡市内が多いですが、熊本市内も増えて来ています。
同時に無料で宿を提供してくれる協力者も募集しています。
無料で泊まれる緊急宿泊場所の提供「airbnb」
被災地支援に関する様々な情報の統合掲示板「熊本地震 情報掲示板」
熊本市に必要な気象庁や件、市の情報をリアルタイムにまとめている掲示板です。
(こちらは民間企業が運営・提供しているものではなく、個人の方が作った掲示板とのことです。)
掲載している情報は以下の通りです。
地震情報(気象庁)
熊本市緊急情報
熊本市上下水道局情報
SOS掲示板
市内・市外避難所書き込み
配給・炊き出し情報
熊本市給水&湧き水情報
開店しているスーパーやコンビニなどの情報
熊本市内トイレの場所、熊本市使用可能温泉&銭湯
熊本市使用可能ガソリンスタンド
熊本県内離乳食希望フォーム
熊本県内迷い犬・猫などのペットの掲示板情報
益城町近辺から行ける店舗情報
被災地支援に関する様々な情報の統合掲示板「熊本地震 情報掲示板」
日本透析医会の被災地支援:人工透析の可否情報を掲載
人工透析を必要とする患者のためにホームページ「災害時情報ネットワーク」欄で県内の医療機関の被災情報や透析ができるかできないか、受け入れ可能人数等の最新情報を掲載しています。
地域を指定して透析可能な病院を検索する事も出来ます。
人工透析の可否情報「日本透析医会:災害時情報ネットワーク」
国土地理院:ドローンによる被災状況の動画配信
崩落した阿蘇大橋周辺の画像を始め、地震によって地表に現れた南阿蘇村と同県益城町の断層の映像をドローンで撮影をしています。
動画は国土地理院のウェブサイトで公開されており、被害状況の把握等災害対応に役立ててもらうことを目的としています。
ドローンによる被災状況の動画配信
JALxイオンの被災地支援:緊急支援物資の輸送
3.11東日本大震災から5年 ~震災への対策、広がる企業の取り組みを追う~で紹介しましたが、2016年3月、JALとイオンは緊急物資の輸送に関する覚書を締結し、被災地支援の一環として物資の輸送を緊急時に迅速に対応できるよう体制づくりを行っていました。
覚書の締結後に大阪の直下地震を想定した演習が羽田空港で行われましたが、7時間で対岸の徳島空港に到着することができたと言います。
今回も熊本空港へのターミナルが閉鎖された4月16日にはJALがイオンの物資を長崎空港まで空輸し、物資を空港から自衛隊が輸送を行う迅速被災地支援を行っています。
震災発生後から協力体制を築くのではなく平時から課題を洗い出し訓練しておくことは、東日本大震災後の震災への備えが1歩進んだと言えるのではないでしょうか。